北海道に行くまでは演歌というのはほとんど聴かなかった。
仕事場で休憩時間にパートの人たちが見ていたテレビで、
たいてい演歌が流れていた。
一緒に食事をしているとどうしても覚えてしまう。
北海道には演歌が似合うと思う。
いや、演歌の無い北海道の生活は味気ないもののようにさえ思える。
北原ミレイの「石狩挽歌」を聴くとこの景色を思い出す。
真っ白に波立った海と灰色の景色があの歌を思い起こさせる。
映画「駅」では八代亜紀の「舟歌」が流れるが、あの映画ほど北海道の
生活を思い出させる映画もない。時期的にちょうど私がいた時代だ。
舟歌は私が札幌を離れようかと思い始めたころにテレビでいつも流れていた。
中之島ブルースは私が札幌に赴任した頃にヒットしていた。
その頃は別に気にもならなかった。
しかし、東京に戻ってアローナイツ版のこの歌を聞いた時、
鮮やかに札幌の記憶が蘇った。
その時代がその時の歌を作っているのだろうが、
私には歌が時代を作っているように思える。