8/14/2013

泳げない

スキーも出来るし、車もバイクも乗れる。ハングも飛べるしパラも少しできる。
自転車にも乗れる。
でも子供の頃から泳ぎができない。

大阪に引っ越した時、1度だけプールの授業があった。
泳げないし、水に入りたくもなかったのでプルーサイドで友達と話をしていたら、
通りかかった先生が「なんだお前泳げないのか?」と言うので、泳げないというのが
いやだったので、「いいえ」と言った。
すると先生が「じゃあ、そこから飛び込んでみろ」と言った。
私はプールサイドから思い切り飛び込んだ。そして潜水したまま反対側までなんとかたどり着き、
水面から先生に手を振った。先生はきっと泳げると思っただろう。

大学2年の夏にクラブの仲間で三宅島に行くことになった。
その時は自分が泳げないことは公言していた。だから島一周のサイクリング競争には参加した。
しかし目的は海なので、当然海で泳ぐことになった。
穏やかな海でボートを浮かべて皆はその周りで泳いでいた。
私もボートにつかまって水につかったりしていた。

ボートの上から海底を見ると白い砂と、岩と、小さな魚が泳いでいるのが見えた。
海底までは何メートルくらいだったろう。
たぶんそんなに深くない、せいぜい5メートルくらいだったろうか。
その時誰か一緒にボートにいたと思う。それが誰だったかずっと忘れていた。

私はあの海底まで行って、あそこの石を持ってこようと思いついた。
ボートからゆっくり水に入って、頭から思いっきり潜った。
なかなか体が沈まなかった。息はどのくらい続くだろう?と考えていた。
なんとか海底に近づき、思いっきり手を伸ばして小石を握った。


それから頭を上にして海面を見た。
それはすごくきれいな眺めだった。
海面に太陽の光が反射してキラキラしていた。
あんなにきれいな眺めは見たことがなかった。

それからがむしゃらに海面に向かった。
頭が海面に出たときに周りを見たが、ボートはちょっと遠くにあった。
どうやってボートまで行ったのか覚えていない。
でも誰か女の子が「こっちこっち」と言いながら、
手を差し伸べてくれたのを覚えている。