初めてアメリカに行った時、ガイドの人が高速道路脇の木を指差して、
「あれがジャカランダの花です」と説明していた。
その頃は札幌に住んでいて、その花は良く見ているような気がした。
「あれは桐だろう・・」と思っていた。
ジャカランダとハカランダとJacarandaが同じものだとわかったのはだいぶ後だった。
私は始めて持った自分のギターはKawase楽器のBillyというギターだった。
そのギターにハカランダが使われているということを知ったのもだいぶ後の話だった。
どうでもいいと思っていた。
Billyはネックの反りが異常で直せない。ブイリッジのあたりも交換しないと使えない。
自分でゴシゴシ削ってしまったせいだ。
その後オークションで木曽鈴木バイオリンのHillbilly W-60というギターを入手した。
たぶんBillyと同じ時代に作られたものだと思う。
しかしこのギターの造りは非常にきれいだ。
各部分のインレイや仕上げがBIllyとは比べ物にならない。
このギターもハカランダが使われているそうだ。だから? 音はどうだろう?
マーチンのような深いスコーンと響く音ではない。むしろ軽い乾いた音だ。
しかもちょっと歪んでいるように思う。
その歪みが実にいいですね。(中島誠之助みたいだな)
このギターは購入してからあまり弦を緩めていない。
ほとんど張りっぱなし。
しかし弦高が高くなったりネックが反ったりしていない。
いつでも思いついた時に弾ける状態だ。
たぶん楽器というのはそういうものなんだと思う。
確かに弦を緩めないと全体が反ってしまうギターがある。
それはそれなんだろう。