私は父から土地を相続した。
かなりの広さがあるけれど、まわりは農業をしている人が多い
ような土地だった。
そこに大きな総合病院が建っていた。
その病院の駐車場として病院に土地を貸していた。
だから毎年いくらかのお金が入ってきていた。
私が離婚した際にどうしてもまとまったお金が必要になり、
その土地を売ることにした。
親戚は皆猛反対だった。
それを契機に十数年家族親戚とは疎遠になってしまった。
土地を売る際に不動産屋と周りの土地の所有者の立ち合いで
土地の境界を確認するわけだけど、
みな父の知りあいなわけで、その人達が私を見る目がとても鋭く
直視できなかった。
ようするに「何で次男のお前が土地を売るんだ?!」ということだ。
それでもなんとか不動産屋の陰に隠れて確認を済ませて
売買契約をした。
住宅地としては使えない土地だったので数千万にしかならなかった。
そのお金も結局ほとんど向こうの家族に送っていた。
私の方で使ったのはマンションの購入時の頭金400万と
仕事で必要だった500万くらいだ。
もちろん細かな買い物はしたけれど、
お金は15年もたなかった。
そんなわけで「それみたことか」という声は聞こえてきた
訳だけれど、そのお金でなんとかその時代を過ごすことができた。
売った相手は埼玉で駐車場の管理会社をしている人だった。
だからそのうちの総合病院の駐車場の管理をして病院からも収入を得る
ことが目的だったと思う。
ところがしばらくしてからその総合病院が移転することになったらしい。
そうするとその土地は全く意味が無くなってしまった。
宅地に使える土地であれば住宅やマンションを建てることも
できたと思うけれど、それができないということは、
今一体そこはどうしているのだろう?
夢の移住計画だけれど、家を買うのはやはり無理なようだ。
いや買うとしたら人気のある土地で利便性が高い将来性のある家だ。
私が望んでいる辺鄙な場所の別荘みたいなものは、
買うことは非常にたやすい。
下手すると向こうからお土産持って売りに来るかもしれない。
一度買ったら最後、私が死んだ時にその土地は残された物が
「永遠に!」その管理をしなくてはいけない。
つまり固定資産税と管理費を永遠に払い続けなくてはいけない。
どうもいろいろ調べると価値の無い土地を手放す(放棄する)
方法は事実上無いようだ。
一つだけ考えられるのは私が死んだら「3カ月以内に」
全ての相続を放棄することのようだ。
まあ、私の場合他に相続する価値のある物は無いから
全てを相続放棄してもOKだと思う。
だけど、それにしても3カ月以内に処理できなければいけない。
つまりそういう家を買うと非常に面倒なことになるらしい。
そうなるとうかつに夢の別荘住まいと言うの現実的じゃない。
バブル期に別荘とか買った人はその後どうしているんだろう?
と思ったらその土地を受け継いだ人が登記していないようだ。
それで所有者不明の家がたくさんできてしまい、
壊そうにも壊せないということになっているらしい。
登記はしていなくても相続税は払い続けなくてはいけないようだ。
だけどほんとは登記しなくてはいけない。
ということで家を買うのは面倒なことになりそうだから
止めよう