4/13/2024

擬態

 今住んでいるのが山なので虫たちがいるのだけど、
先日ナナフシをみつけた。
ナナフシはそれなりの木の枝に居れば周囲に溶け込んでしまう
わけだけれど、先日見たのは大きな幹にへばりついていて
一見してそれとわかる姿だった。
つまりあまり擬態が効果を発揮していなかった。

いつだったかテレビのドキュメント番組でやはり森に住む虫の
擬態をやっていたのだけど、その擬態がちょっと不思議で
木の下の人間が見るとまるで別の物に見えるという擬態だった。
それが何だったかはっきり覚えていないのだが、
木の下にいる人間が見た時に限ってその形に見える、
という擬態だった。
つまりその擬態は人間がどう見ているかを知っていないと
できない擬態だった。
それを見た時不思議に思った。
なぜか「彼」は人間がどう見ているのかを知っている。
どう擬態すればそういう風に見えるようにできるのかを
「彼」は知っている。
これはとても不思議なことではないだろうか。

今では擬態は長い年月をかけた淘汰の結果、ではないという
のが通説になりつつあるらしい。
つまりそういう風に進化したわけではないらしい。
もっと早い時間でそういう進化ができるような遺伝子が
存在するらしい。
スーパー遺伝子によって擬態ができるようになったらしい。

それはそれでいいけれど、なぜ”外から見た時に”
”そういう風に見える”ことがわかるのだろう?
そっちの方が不思議だ。

私が他人からどういう風に見えるのか私にはわからない。
またどうすればイケメン風に見えるのかその術を知らない。