3/01/2024

彼のオートバイ、彼女の島

 ブルーレイが届いたのでまた観ていた。
再度見るとやはり幼稚さというか臭い演技と稚拙なセリフで
少し恥ずかしくなるのだが、オートバイに乗るものとしても
手を広げて「これはOKだ!」とは言えない。
この話を現実のものとして見るとそういう風に思える。
要するに現実にはあり得ない話だ。
片岡氏の話に共通したものとしてそれがあるように思える。
だからだめだというのではなく、そうであるから好きだ。

ミーヨなどという女性は最初から存在していなかったのだと思う。
全て「彼」の夢の中の出来事なのではないか。
その「彼」でさえ最初から存在していない。
「彼」は読者自身で650のカワサキもミーヨの事故も
全て読者の夢のできごとなのだ。

「朝になったらタッチミー」にしたってそんなシーンは
現実には絶対(たぶん)あり得ない。
オートバイで延々と走っているとそんな妄想が浮かぶ。
車で走っていてもあるけれど、
オートバイの方がひどいように思う。
このままあの崖から飛び出したいという衝動が起きる
・・ことがある。

それはそうと「彼のオートバイ・・」だけれど、
全ては夢だ、と思って観るとそれほど恥ずかしくない。
自分にもいつかある日有り得たシーンかもしれない。
それが現実には無かったのだから
これは夢だと思った方がいい。