もう「神話」って言っちゃってるからね。
若いころはずっとオーディオ業界で働いていたけれど、
ある程度「いい音」がしていたらそれ以上は嘘だろうなと思う。
特に最近のハイエンドなんちゃらはどう考えても怪しい。
もうある程度年をとった人にとって15000Hz以上は聞こえないと思う。
私だってもうかなり歳だから12000Hzがやっと鳴ってるかな?と
わかるくらい。
昔オーディオの大会社が少人数のオーディオファンのコンサートを開いて、
カーテンの向こうでスピーカーから出した音と生演奏の音を聞かせて、
違いが判るかどうか試したことがあった。
結果は50%で、たぶんわからないということだったと思う。
私がオーディオの仕事をやっていた頃に神話としてあったのは
・ターンテーブルを無垢の厚い真鍮で作ると音が違う。
・ターンテーブルのベルトドライブを糸にして3メートル先のモーター
で回すと音が違う。
・スピーカーボックスの下にコンクリートブロックを置くと音が違う。
・ピックアップからのコードは純金の線にすると音が違う。
・レコードの上に安定のための丸い真鍮ブロックを置くと音が違う。
・アンプの電解コンデンサーを同容量のマイラーコンデンサーにすると
音が違う。
・アンプとスピーカーをつなぐ線は太い方が音がいい。
・電源線は太くてコンセントに直接つないだ方が音がいい。
これは究極的に独自の電源回線を電柱から引いた方が音がいい、となった。
・5万円の日本製のパワーアンプよりマッキントッシュの方が音がいい。
(うむを言わさず)
・アシダボックスの結構安いスピーカーが音が良いとされていた。(謎)
いずれも本当かどうかわからないというところがミソだ。
著名なオーディオ評論家が「これがいい」と言うと、もうそういう
お墨付きをもらったようなものだが、一方アマチュアの間では
上記のような神話がいくつも生まれていた。
たぶんいずれも「気のせい」だと思う。
最初に「ある程度の」と書いたけれど、25cmくらいのスピーカーで
メーカー製のアンプで聞けば、どれもそんなに変わらない。
気のせいと思い込みで音が変わるように思う。
「今日はどうも音が悪い」とか、「今日は音がいい」とかいう
気持はあると思うけれど、そんなに違わないはず。
ハイエンドオーディオ装置の中身を見ると愕然とする。
あれが商売なんだろうなと思う。
音楽はもっと気楽に聴いた方がいいと思う。