再放送か再々放送か、再々再放送かしらないけど、
昔のテレビドラマをやっている。
札幌にいた時はいつも見ていた。
内容は全く覚えていなかったけれど、
もう一度見て、「ああこんな感じだった」ということを思い出した。
それはいいのだけど、
ある一瞬、その昔のアパートの一室にいてそのテレビを見ている錯覚が起きた。
あまりにはっきりした錯覚だった。
あれ?と思った。
ちょっと怖かった。
ポット式ストーブがゴーという音を立てて燃えていた。
ベッドポストに頭を置いてテレビを見ていた。
一瞬だったけれど、確かにあの瞬間は札幌のアパートにいた。
あれからいったいどれくらい遠くまで来たのだろう。
カースケのようには生きた時もあった。
オメダのように生きていた時もあった。
でもグズ六のようには生きられなかった。
だれが正解だったかわからないけど。
だけど当時からするとああいうふうにみんな生きていたんだなと思う。