3/03/2019

3月だよ

おしいところで4年に1回の誕生日を逃した妹に電話してみた。
とても元気だった。
術後の経過はいいようだ。
声も明るくて安心した。
こういう電話はとても勇気がいる。
もしも落ち込んでいたら、と思うと電話をかける手が止まる。
それでも誕生日だったから、ちょっと遅れたけど、電話してよかった。

札幌を後に東京に車を走らせたのは確かこのあたりの時期だった。
まだ雪が降っていた。
北5条から大通りに向かう道。
丁度社長のマンションにまっすぐ向かう道だった。
見送りしないから、と言っていた友人がバックミラーの中で、雪の中手を振っていた。
それから後はほとんど前が見えなかった。
大通りから石山通りに向かって走ったはず。
真駒内のあたりを過ぎた頃は雪が激しくなってきた。
「ほんとうにこれから東京に向かうのか?」と何度も考えた。
車で東京まで走るのはもう20回目くらいだったけれど、
もう車で来ることはないだろうと思うと、
無性にあの宮の森のアパートに帰りたくなった。

今思うと、あのまま札幌に残るという選択もあった気がする。
会社はあのあと5年くらいでだめになったから、他の仕事をしていたかもしれない。
なんで東京に帰ろうと思ったのかというと、要するに何も考えていなかったから
だろう。よくできたと思う。
その頃、世の中はマイコン、パソコンの世界になって行ったから、その世界の
最初の頃に加われてよかったのかもしれないとは思う。

たぶん仕事の仕組みが劇的に変化した時代だった。
1980年から1990年の変化は2000年から2010年の何倍も大きかったように思う。
その変化を経験できてよかったと思う。
まるであっという間だったけれど。