6/30/2024

朝焼けのドライブ

 若い頃は夜通し車を運転して、
朝焼けに向かって走るということがよくあった。
その時の感覚を時々フラッシュバックのように思い出す。
すごく眠いのだけど、目が少ししょぼしょぼして
喉がいがらっぽくなって、
頭がジンジンする。
ちょっと車を路肩に停めて体を休める。
あの感覚をもう一度味わいたい。

「お前、どこに行くんだよ?」
といつも自分で思っていた。
全く目的も無くただ車を走らせていた。
あの頃はそれで良かった。
時間はいくらでもあった。
学校の推薦を全部捨てて、自分で選んだ仕事だった。
それで北海道で一人になった。

「おい、ちょっと待てよ、お前ら大企業を批判してたんじゃないのかよ?」
「なんでスーツ着て面接なんかやってんだよ?」
「自由に生きるんじゃなかったのかよ?」
そう、誰もがそうだった。
デモで機動隊に石を投げてたのも、みんなちゃんとした
会社に収まった。
そうじゃなかった僕等(笑)は、
アメリカに行ったのとか、やはり北海道に行ったのとか、、、
なんだよ、たった3人かよ。

あの朝のドライブのまぶしい太陽と
窓から入る清々しい空気をもう一度感じたい。
そして、これで良かったんだ、と言いたい。