10/01/2013

苦い勝利

小学校あるいは中学校の放課後、家に帰るとテレビでは映画劇場をやっていた。
それがなんという番組かは忘れたけれど、洋画を放送していた。
ストーリーはあまり覚えていないが、映画のタイトルだけは覚えている。

ウィーン少年合唱団に入団する少年の話を描いていた「野ばら」、
トラップファミリーを映画にした「菩提樹」と「トラップファミリーインアメリカ」、
西部劇の「大砂塵」など、それほど有名ではないけれど良い映画をたくさんやっていた。

印象に残っている映画で「鏡のオルフェ」あるいは「ガラスのオルフェ」という映画があった。
なぜわざわざ「鏡」や「ガラス」なのかわからない。
記憶では暗い通路のような道を主人公が歩いて行くと、向こうから「ガラ~ス、ガラ~ス」
と売り声を上げてガラス売りが歩いてくる、というシーンがあった。
あの映画はコクトーの「オルフェ」とは違うのだろうか?
ちょっと調べてみたくなった。

すごくドイツ人っぽい感じの俳優のクルトユルゲンスが主役で出ていた「苦い勝利」と
いう映画を覚えている。覚えていると言っても題を覚えているだけなのだが、
今、そのあらすじを読んでみて、もう一度見たくなった。
明らかに当時は理解できていなかったと思う話だ。
クルトユルゲンスは史上最大の作戦にも出ていた。
この顔を見ると中学生の気分に戻る。


「恐怖の報酬」もその番組で見たのではなかったろうか。
当時はあまり怖かったという記憶が無い。でも今見直すととても怖いシーンがいくつもある。
リメイク版よりも元のほうがずっといい。

ジェルソミーナの「道」も良かった。
やはり子供の頃はわからなかったことがたくさん描かれている。

最近あまりきかない映画に「ミラノの奇跡」という映画もあった。
あれは不思議な映画だった。YOuTubeで断片を見ることができた。
今見ても不思議な映画だ。どこか「8 1/2」に似ている。

あの頃見た洋画は今思うと、みな宝石のようにすばらしい。

ところで今やっている午後の映画劇場だが、あまりにひどすぎる。
B級の匂いぷんぷんだ。
まあ、それはそのつもりで見れば楽しめる映画なのだが。