10/14/2013

三鷹の記憶 (4)自転車

三鷹の記憶で書いているのは小学校4年の頃の話。だから1961年頃のことだ。
三鷹市内はほとんど自転車で走っていた。走っていない小道は無いかもしれない。
走っていない道があると探して走っていたから。
 
是政
南へ一番遠くまで走ったのは是政だろう。年上の友達と一緒に走った。途中で怖くなった
のを覚えている。他の子達もわざわざ是政までザリガニ取りに行ったりしていたようだ。
 
調布飛行場
調布飛行場はよく行った。格納庫の裏から入れた。
セスナが主だったように思うけれど、複葉機も飛んでいた。黄色の機体でちょっとずんぐり
した感じだったように思う。
 
東京天文台
飛行場に行った時は天文台も眺めた。崖の下からドームが見えたように思う。
その風景を覚えている。ちょっと未来的な感じがした。
ずっと後になって仕事で中に入ったことがあった。これがあの時眺めたドームか、と思った。
 
 

 
基督教大学
基督教大学は好きだった。キャンパスはどこかテレビで見た外国のような風景だった。
きれいに刈られた芝生が広がっていた。
正門から建物のあるところまでまっすぐな道だった。つきあたりを右へ行くと大学の校舎があった。
左に行くと天文台の続きの崖まで行くことができた。その崖は多摩丘陵の淵だ。
崖のところには小さな水の流れがあって、それが崖のところで滝になっていた。
そこに沢蟹がいて、子供達はそれをとったり、水遊びをしたりしていた。
崖は岩ではなく赤土だったように思う。
 
崖の手前に防空壕があった。子供達は懐中電灯やろうそくを持ってそこに入って遊んでいた。
どのくらいの距離があっただろうか。数十メートルはあったように思う。入り口とは別の所に
出口があった。しばらくしてそこは閉鎖されてしまったけれど、2回は行ったように思う。
その頃は懐中電灯も無かったので、空き缶の壁に釘を刺して、そこに小さなろうそくを
立てて、火をつけると懐中電灯のように使えた。缶の内壁で光が反射してけっこう明るかった。
 
前・神代植物園
神代植物園はまだできていなかった。深大寺は毎年ダルマ市が立って、子供達でよく行った。
ダルマは買ったことが無かったけれど、おもちゃやゲームをやっている屋台がたくさん出て
それ目当てで行った。
植物園ができる辺りは草原だった。今バラ園のあるところは当時も少しくぼ地になっていて、
きれいな草原だった。その草原を自転車で駆け下りて遊んだ。
 
新川
新川はほとんどがたんぼだった。家からも近かったのでバッタやザリガニを取りによく行った。
川の脇に沼があってそこにはフナもいた。
沼の淵には木が茂っていてその木の枝に白い泡のようなものがたくさんあった。
子供達はあれは蛇の卵だよ、と言っていたが、よく考えたらそんなことはないとわかった。
後で知ったのだが、あれはモリアオガエルの卵だった。木からポタポタと沼に落ちて
おたまじゃくしになるようだ。
イナゴもトンボも(オニヤンマもギンヤンマも)たくさんいた。ヤマカガシもアオダイショウも
いた。森の方には山猫がいるから行くな、と子供達では行っていたけれど、
そんなものがいるわけもなかった。
 
そのほか
小金井公園にも何度か行った。井の頭公園から三鷹台、西荻窪まで走った。
鉄塔は追わなかったけれど、どこまでも走った。