小学校低学年の頃(昭和35年頃)、家に一番近いバス停は「品川上水」だった。
そこの前の道は2車線で今よりも狭かったはずだけれど交通量は多かった。
兄が道を渡ろうとしてバスのすぐ後ろを飛び出し、車にはねられそうになったことがあった。
その時父はひどく怒った。
いまだから父の気持ちがわかるが、当時はあまりに怒っている父が怖かった。
父は「こんな子供は警察で罰してもらう!」と言って、交番に行くと言い残して
兄と行ってしまった。
私は家ですごく不安な思いでまっていた記憶がある。
しばらくして兄はニコニコしながら父と帰ってきた。
たぶんどこかで時間をつぶして帰ってきただけなのだろう。
今でも品川上水(今はもうないのかな?)バス停のところを通るとそれを思い出す。
記憶の底では三輪のバスが走っていた記憶がある。
運転手は足を広げて座ってオート三輪のハンドルで運転していた。
出入り口は真ん中あたりにあった。当然女性の車掌さんがいた。
品川上水のところを走っていたから三鷹---吉祥寺路線だったのだろう。
東京駅の前から三鷹か吉祥寺までバスに乗ったことがある。たぶん東京駅だったと思う。
そのバスはトレーラーバスだった。今の長距離トラックのように運転手側と客車が別れて
いた。運転手側の脇には煙突があって黒い煙を吐いて走っていた。
全体としてすごく長かったように思う。
なんの時に乗ったのか覚えていないが、すごく長い時間乗っていたように思う。
吉祥寺のサンロードのところもバスが走っていた。
つい先日吉祥寺に行くことがあった。あらためてサンロードを歩いてみると、
「いや、ここはバスはすれ違えないだろう」と思った。バスが一台走るのがやっとだ。
一方通行だったのだろうか。
品川上水のところを走っているバスは小田急バスだ。
赤白のツートーンで犬のマークがある。
先日久しぶりに小田急バスのマークを見てすごく懐かしかった。