札幌で勤めていた会社の社長さんは岩城宏之さんと仲が良かった。岩城さんは
ちょうど私が札幌にいた頃に確か札幌交響楽団の常任指揮者じゃなかったろうか。
それで東京から社長が来ると会っていたようだった。
でも私は岩城さんにお会いしたことがあったろうか?
どこかで社長と一緒の時にお会いしたような気もするけど、
はっきり覚えていない。
それで私もクラシックのコンサートでいつも思うことなのだけど
大して良かった演奏でもないのに拍手喝采でブラボー屋も叫んでいたり、
「なんで?」と思っていた。
岩城さんがコンサートで「義理で拍手しなくてもいい」と言ったことは
逆の立場から同じことを思っていたのだと思う。
聴衆よりも演奏している方が演奏の良し悪しは痛切に感じているだろうし。
満足いかない演奏に拍手喝采だとやる気を無くすかもしれない。
クラシックの観客はもっと正直になっていいように思う。
できの悪い演奏に拍手が無くても演奏家はきっと傷つかない。
むしろ逆の方が傷つくように思う。
そういう意味で岩城さんの「義理で拍手」事件はクラシックの
コンサートに一石を投じたように思う。