雪は降らなかった。
空は雲一つない青空だったので、公園に行ってステージの前の長ベンチに横になって
空を見ていた。
青空は太陽(もう沈む準備をしていた)は白く輝いていて、空は太陽から遠くなるにつれて濃い青にグラデーションがかかっていた。
時々飛行機が空を横切って行く。
親子がドローンを飛ばしていた。
結構高くまで上げていて、娘さんが操縦していたのだろうか、真上からどんどん東の方に行ってしまい、木々の向こうに消えてしまった。
どうやら操縦不能になってしまったらしい。
親子は探しに行った。
私はそのまま仰向けになって空を見ていた。
こうしていると、夢でよく見るシーンを思い出す。
そらの高いところに真っ白な巨大な構造物が浮かんでいる。
とても大きな構造物で、飛行機でもないし船でもない、
どこかのプラント工場を切り離してきて空に浮かべたみたいな形だ。
よくみるとその構造がだんだんはっきりしてきて、
なんであんなものが空に浮かんでいるのかと思うと怖くなってくる。
そのシーンを思い出した。
あれが今この空の上に出現したらいいな。
と思いながら何もない青い空を見ていた。
そらは相変わらず青いだけで、
太陽は横からまぶしい光で照らしてくる。
ずいぶん長いことそのまま横になっていた。
ゆっくり起き上がって、帰ろうとすると
さっきの親子がまだドローンを探していた。
私も帰りながら木の上や草むらの中を見ながら歩いていたが、
ドローンは無かった。
振り返ると親子は丘の斜面を探していた。
あのドローンはどこへ行ったのだろう。
そういえばこの地区でドローンが飛行禁止になっていないのは
この公園だけだった。