1冊はPLEASURE PLACESという写真集でもう一冊は THE ENGLISH SUNRISEという
写真集だった。
今、思うのは彼は何故この2冊を送ってくれたんだろうということ。
彼は本屋で適当にこの2冊を選んだのだろうか。
あるいはこの2冊でなければいけないと思ったのだろうか。
私は写真の学校などへは行っていない。写真については本でしか学んでいない。
全くの素人だ。
でも嫌いな写真というのはある。
観光地でお約束のように撮った写真や、なにか特別の出来事があった時に
記念に撮っておくような写真がそれだ。
最近だと「今日はスーパームーンだから」とブログに貼るような写真だ。
あるいは誰でもカメラを向ければ撮れるような花の写真。
そういう写真は写真ではあるけれど、自分の写真ではないと思う。
この2冊の写真集はそういう写真ではない写真を撮る「理由」のような意味があると思う。
THE ENGLISH SUNRISEの方は朝日を象ったものばかりを街や生活の中で探し出し
それを写真に撮っている。
確かにこういう写真の撮り方があると思う。
日本ではマンホールの写真ばかり撮っている人や車のエンブレムだけを撮っている人が
いる。
私はこういう写真の撮り方はあまり好きではなかった。
色々なもののコレクションは好きだが、写真でそれをやろうとは思わなかった。
もう一つのPLEASURE PLACESは、素晴らしい写真集だ。
写真自体は小さな写真なのだけれど、何を撮っているかがすごい。
街を歩いて自分の気に入ったシーンを撮っている。
決して珍しい景色ではないし、記念すべき風景でもない。
ただ、自分しか気が付かなかったであろうシーンなのだ。
この写真集は札幌に居たころには毎日のように眺めていた。
こういう自分だけの写真が撮りたいと思っていた。
その後何度も引越しをして、この2冊はすっかりどこかに紛れてしまっていた。
最近会社の事務所を引き払って物を整理していたら、この2冊をみつけた。
ものすごく久しぶりだ。
改めてPLEASURE PLACESを見ていたら、どこかで見た感じがした。
自分の写真のファイルを調べたらそっくりな写真が何枚もあった。
PLEASURE PLACESから
私の写真
PLEASURE PLACESから
私の写真
PLEASURE PLACESから
私の写真
決して真似をして撮ったわけではないけれど、記憶の中にPLEASURE PLACESの写真集
の写真があったのだと思う。
これ以外にも沢山おなじような写真がある。
無意識のうちにおなじような写真を撮っていたのだろう。
要するに私にとっての写真はこの写真集が模範だったのだと思う。
そこでまた思うのは、彼は何故この写真集を送ってくれたのだろう?
ということだ。