10/25/2015

Thick as a brick 「ジェラルドの汚れ無き世界」


あれはまだ学生の頃だった。
FMでこれを全曲放送していた。
FM東京だろう。
早速レコードを買いに行った。

邦題の「ジェラルドの汚れ無き世界」、当時は別に気にもとめなかった。
それよりもこの音楽のタイトな完成された世界がすごいと思っていた。
ジャケットに何が書かれていようが関係なかった。
でも、このジャケットは素晴らしかった。
(当時はそう思っていたのだけれど)新聞記事をそのままジャケットにしていた。
これは実際にあった話だろうと思っていた。
これがどういう話題でどういうふうにジェスロ・タルと関係しているのかなど全く知らなかった。
今見てみると左上にJHETHRO TULLというロゴがあるが、当時は「怪しい」とさえ思わなかった。

これは一体何の記事だったのだろう?と改めて思った。
これは何が書いてあるんだろう?と初めて読もうという気になった。
「Thick As A Brick」というのはどうやらこの写真の少年が書いた(とされる)「詩」のようだ。
大見出しと中見出しにはこの9歳の少年の名前がジェラルド・リトルミルトン・ボストックと書かれている。
リトルミルトンというのは文豪ミルトンの名前を茶化してつけられている。
そして、そのジェラルドの勝ち取った受賞が失格になったと書かれている。
その失格を宣告したのはThe Society for literary advancement and gestationとなっている。
これは「文学的な進歩と妊娠のための協会」ということからして変だ。
そのあと、彼がどういう少年でどういう背景でそうなったのかが書かれている。
また家族がその受賞(賞金)を失っていかに失望しているかなど書かれている。
めんどうなので読まない。
他の記事には54歳の女性がラリって頭を怪我したとか、フルートとチェロのアンサンブルの
コンサートが行われたが一部観客のせいで中断させられたとか、
全部読んでみると面白いかも。
”売ります買います”の所にはLサイズの柔道着とかスワヒリ語のレコード求む、とかある。
と、ここまでネット上の画像を見て書いたが、
自分のレコードがみつからない。
どこ行ったろう?

追記:
ところでこの写真は何だったんだろう?
読んでみるとこれはこの新聞記事の数週間前に行われた詩の授賞式の時の写真らしい。
左から、主催者のClive 'Polly' Parritt、少年の両親、本人(Gerald Bostock)、
Julia(彼が詩を書いているジェラルドの仲良し)
とか。