これまで一番良く通った古本屋は神田の洋書屋と筑波の古本屋だろう。
筑波の古本屋は阿見の工業団地に行く途中にあった。
なんでこんなところに?と思うような田舎にあった。
そんなに大きな本屋ではなかったけれど、いつ行っても何か面白い本がおいてあった。
工業団地には10回以上通っていたからその都度何か本を買っていた。
地方に出張に行った時も古本屋を探して行っていた。
その都度何か買って帰った。
不思議なもので、買いたいと思う本はまるでその本が呼んだようにそれを見つける。
その本屋に行かなければまず出会わなかったと思う本ばかりだ。
決して本屋で探して「これにしようかな・・」ということではない。
まずその本に目が行きそれを買うことになる。
今日も出張に出た。
古本屋を見つけて入った。
なんとなく面白そうな本屋だった。
本棚の間の通路のひとつに入って、左の棚を見たらその本があった。
タイトルに「完全な真空」とあった。
先日書いたブログ内容に似ているなと思い、手にとるととんでもない本だった。
著者はスタニスワフ・レムで好きなSFをいくか知っている。
序文?を読んでみて最初は意味がわからなかった。
しかしそれが架空の著作物の書評集であることがわかった。
しかもその序文と思ったものはレムのその著書「完全な真空」の書評になっていた。
つまり架空の著作物の書評集の書評というわけだ。
中はまだはじめの方しか読み進んでいないが、とても面白い。
最初の「ロビンソン物語」は孤島に漂流した男がロビンソンクルーソーを自ら演じる
という「小説」の書評だ。
書評と言っているがそれ自体が物語りを語りながら進んで行く。
中には他の著作物のパロディーも含まれているらしいが、私はそれらを読んでいないので
どのようにおかしいのかがわからない。
しかしこの書評集の中の話が一般の書評に比べようもないくらい面白いのは確かだ。