1/13/2014

トスカニーニ Arturo Toscanini


トスカニーニを初めて聴いたのはたぶん中学2年の頃だ。
それ以前にも何か聴いていたと思うけれど、NHK-FMで放送されていた「トスカニーニ・アワー」
だと思う。
その番組は村田武雄さんが解説されていた1時間番組だった。(1時間以上やっていた時もあったように思うけれど)
村田さんの落ち着いた声が好きだった。その声はいつでも思い出せる。なんとなくハイドンの音楽を思わせるような声だった。
村田さんは「劇的な」というのが口癖だった。毎週その番組で1回は言っていたと思う。

トスカニーニ・アワーのオープニングテーマはレスピーギの「ローマの松」の冒頭だ。
今でもあの曲を聴くとトスカニーニアワーの開始を思い出す。
トスカニーニ・アワーは一度終わって、何年後かにもう一度やったと思う。
1年後くらいだったかもしれない。
2回目の番組の開始テーマは何だったろう?同じだったかな?

ちょうど同じ頃にFEN(今のAFN)でもトスカニーニ・アワーというのをやっていた。
そっちのテーマ音楽はブラームスの交響曲1番の冒頭だった。
FENではグランド・オール・オープリーというカントリーの番組もやっていたけれど、
そのDJの人とトスカニーニ・アワーのDJの人は同じ人だったのではないだろうか?
どうも同じ声のような気がする。
FENのトスカニーニ・アワーも1時間番組だったと思う。

トスカニーニはアメリカに移ってからはNBC管弦楽団を主に指揮していた。
トスカニーニとNBCの演奏は他のどことも似ていない。
あの感じは何だろう。
「荘厳」「厳格」とかいう言葉が似合うように思う。それこそ村田さんの「劇的な」という言葉が
ぴったりかもしれない。
よく対比されるのがフルトヴェングラーとベルリンフィルだけれど、何かが決定的に違う気がする。

トスカニーニの演奏で一番好きなのは何だろう?
ベートーヴェンでは3番かな。
シベリウスの「ポヒョラの娘」という管弦楽曲があった。
トスカニーニのこの曲の演奏はすごい。それこそ劇的な盛り上がりを聞かせる。
トスカニーニ以外でああいう演奏を聴いたことがない。
「マエストロ」という言葉はトスカニーニのための言葉だと思っていた。イタリア語なのだから
ドイツ人やフランス人には似合わない。

当時は」トスカニーニの映像など見ることができなかったから、雑誌やレコードジャケットの
写真を眺めるだけだった。
それで、(上の)トスカニーニの写真を見るととても懐かしく思う。
またすごく親しみがある。
ある意味、父親の写真を見るのに近い感じがする。