6/10/2017

そこに山があるから

マロリーが本当にこれを言ったかどうかしらないけれど、
私が子供のころから
「なぜ山に登るんだ?」
「そこに山があるから」
という言い回しを何度きいたことだろう。
それもこの言葉をあまりに適当な発言だという意味合いで紹介されていた。

歳をとって、この言葉を改めて読んでみると
これは当然のことというか、これ以外に理由は無いだろうとおもうくらい
的を射たことばだと思う。

自分の人生をいろいろ思い出してみると、
それをしなければいけなかった様々なことを思い出す。
会社に入って仕事をして家に帰ってまた仕事をしてという
の繰り返しの中で様々なことにも挑戦もした。

マロリーにとって山に登ることは人生の一部に過ぎなかったのだろうと思う。
かれは「わざわざ」山に登っていたのではなく、
それが彼の人生だったから山に登っていたのだろう。
山に登ることが彼の人生そのものだったのだろう。

「なんで会社で仕事して働いてるの?」という質問にたいして、
「それが俺の人生における役目だから」、と同じ意味で
「なんで山に登るの?」と聞かれたら
「そこに山があるから」だったのだろう。

私もハンググライダーで飛んでいた時があった。
「なんでそんな危ないことしてるの?」と聞かれた。
でも、今思うとあの経験が無かったら自分の人生はつまらないものだったと思う。