10/17/2024

暑い秋 昭和は遠くなりにけり

 その前に「明治は遠く・・」というのは何だったっけ?
と思って調べたら、中村草田男だった。
「降る雪や明治は遠くなりにけり」
どういう心境だったんだろう?
考えてみるとおかしなことだ。
彼がこの詩を詠んだのは昭和6年だ。
大正を挟んで明治のことを言っている。
令和に入って平成を挟んで昭和のことを言っているようなものだ。

昭和と言う時代自体は懐かしいとは思わない。
なんか街もなにもかも汚かったという記憶しかない。
渋谷も新宿も、もちろん上野も汚かった。
あの頃、きれいだな、と思った町はどこだろう?
札幌かもしれない。
札幌が汚かったという記憶はあんまりない。
あとはなぜかあんまり綺麗という印象が無い。
仙台も広島も神戸も大阪も名古屋も。
記憶の中の何かが操作しているのかもしれないが。

今昭和の写真とか見ると怖い。
写真に写っている過去のリアルが怖い。
たしかにこういう時代だったということはわかる。
それを認めるのが怖い。

一体何年前だよ!
そんなに時間が経ってるのか!
ということを実感するのが怖い
だから決して言わないだろう
「昭和は遠くなりにけり」などとは

今こうして2024年の現在を生きていることは
半分くらい夢のような気がする
あと半分は昭和を引きずっている
いまでもあそこに行けば誰かがいるような気がする
それで行ってみる
誰かがいるわけないのに
だけどその場所は覚えているような気がする
その場所が私のことを覚えているような気がする
忘れないで欲しいからまた行ってしまう