子供の頃というか、だいぶ大きくなっても録音された自分の声を聴くと自分の声とは思えなかった。
誰か別の人の声のような気がした。
最近ネットでそのことが話題になっていた。
それによるといろいろな理由をつけていたけれど、私は音程が違うとか自分の声は直接耳で聞くことができないとか、そういう理由ではないように思う。
子供の頃は自分の声のイメージを自分で作っているように思う。
自分はこんな感じの声で、こんな感じで話しているはず、というイメージ。
そういうものを持っていたように思う。
だからたぶんテレビやなにかで同じ年頃の子供の声を聴いた時に、自分で似てると思う声は
他人が似てるという声とは違っていたはず。
同じように自分がどんな顔をしていて、どんな雰囲気で話しているか、そういうイメージも
持っていたように思う。
たぶんそれは本当の自分とは違うものだと思う。
だけど、自分の中ではこういう感じのはずだ、と思っていたはず。
映画を観ていてそんなことを思い出した。
この映画に出てきた男の子は自分が同じ年頃の頃に思っていた理想的な自分の姿
に近いように思う。
こんな顔つきに近い自分の写真があったように思う。
それを出して来たくはないけれど、たぶんそんな風なイメージだったと思う。
実際には全然違うと思う。でもそれはそれでいい。
大事なことは自分の中にどんなイメージを思っていたかだ。