古いレコードを見つけてきた。
1969年1月18日、19日の音が録音されたソノシートだ。
音は警察の捜索差し押さえ令状の提示のシーンから始まる。
それに続き、あの変に懐かしい機動隊員の警告が続く。今聞いてもあのやけに明るい声には
違和感がある。 あの声はそういえばどこの機動も同じような声だったように思う。
その後に催涙弾の発射音が続く。催涙弾は発射音もだが、コンクリートの路面に転がる
催涙弾のカラカラ言う音も怖い。
このレコードには「最後の時計台放送」と書かれているが、有名なメッセージの音は
含まれていない。たぶんその前後の音だ。
インターを歌う学生(一人)と機動隊導入の直前のトラメガからの声が録音されている。
あの名文のメッセージはどこかに音が残っているのだろか。
記憶では聞いたことがあるような気もする。
YouTubeにも当時のニュースなどがアップされている。それへのコメントを読んで思うのは、
ほとんどの人は学生運動に否定的だということだ。
当然?だろうか。
たぶん今の人達は国と自分を同一のものとしてとらえているのだろう。
何か日本政府が国民に敵対するような事態が起こった時、自分達が実はそっち側に
居なかったことがわかるのだろう。
あの頃は、国と市民というものがもっとはっきりしていた。
それに気がつかなかった人もいる。その人達は現在のほとんどの人達と同じだ。
だから、現在の人達はあの当時の学生の行動を「暴力学生」としか認識できない。
あの当時を生きた人達は、実は「暴力学生」などというものは無く、
暴力は実際には国から学生に向けられていたということを知っているはずだ。
学生のヘルメットは、たぶん今の人達は直感的に武力を連想するののだろうが、
あれは元々、デモ中に警棒で殴られたり、催涙弾の直撃を防ぐための防御手段だった。
その後、学生側も自衛的武装をして行ったのも事実だが。
レコードの中に武蔵野三鷹東大闘争救援会という懐かしい文字があった。
今後何かが起きた時、一体何人のお医者さんが市民側についてくれるだろう?