2/09/2014

サウンド・スケープ

サウンドスケープという言葉がある。
広い意味では音楽や映画の音にも言えるのだろうけど、これを言い出した人は
確か”街の音”について言ったのではなかったろうか。

街にはその街独特の音があるということだ。
私が今住んでいる街では時々鐘の音が聞こえてくる。
街の中心にある結婚式場の鐘の音だ。
その音で今日何回その式場で式が行われたかがわかる。
地下鉄の音も聞こえてくる。
ちょうど地下鉄が地上に出ている場所だからだ。

北海道にいた時に、草原の音を録ろうと思って街からはかなり離れた場所で
マイクをセットして音を録ったことがある。
後で聞いてみたら、遠くを走るトラックの音が入っていた。
たぶん、人間の出す音の無い音を録るには深い森の中にでも行かないと無理だろう。
緊急自動車のサイレンの音はどこに居ても聞こえてくるし、
子供の遊び声もかなり遠くから聞こえる。

子供の頃を思い出してみると、今とは違う音があったように思う。
まず、夜中の犬の遠吠えだ。
最近はほとんど聞かない。
実際に鳴いていないのか、騒音で聞こえてこないのかわからないが。
遠くを走る列車の音が聞こえない。
子供の頃はSLの汽笛の音なども聞こえてきた。
ちり紙交換の声が聞こえない。
これは地域的なものだろうか?
ここ何年も聞いたことがない。
あの声は思い出してみると結構のんびりした感じだったように思う。
全く聞こえてこないのもさみしい。