2/04/2014

日航123便ボイスレコーダ

 
日航123便のボイスレコーダは初めて聴いた時、恐怖を感じた。
緊張した操縦席の様子が、音だけであるために余計にイメージとして浮かび上がる。
機長と副操縦士は真に尊敬に値すると思う。

それが公開されて、ちょっと不思議に思ったことがいくつかある。
最初に思ったのは出だしの音声(爆発音~酸素マスク手前まで)はピッチが少し高くないだろうか?たぶん5%くらい高めに思える。
その後の「酸素マスクを付けてください」は普通に聞える。
これは編集でつなぎ合わせたものだろうが、それにしても何故?と思う。

最初の爆発音は2回ピークがある。
あれは何故だろう?
最初の音が隔壁が壊れた音、次のが尾翼が飛んだ音だろうか?

YouTubeに「ザ・ノンフィクション 日本航空123便墜落事故 15年目の検証 」というのがある。
これはテレビ番組の録画だと思うが、このボイスレコードの最初の部分の不明瞭な部分を
解析するという番組だったらしい。
そこでは「オールエンジン・・・」という部分に疑問をいだいている。

この部分のボイスレコーダの音だが、ほとんどノイズに埋もれている。
音声波形を見てもどこに声があるのかわからないくらいだ。
そういう状態で埋もれた音声を聞き取れるのは人間の聴力というか能力のすごいところだと思う。
しかし、そこに問題があるような気がする。

心霊写真で点が3つあると顔に見えてしまうのと同じように、ノイズの中の関係無い音を、その言葉の一部として捉えてしまうことがある。
同じくYouTubeに「撮ったのかよ」というのがある。
これは同じ言葉が聴く人によって全く別のことばに聞えるいい例だと思う。
この場合もそれだと思う。

このドキュメントではわざわざカナダまで言って解析をしているが、あの程度のことは日本でもできただろう。しかも日本語のわからない外国人が解析しようとしている。
意味が無い。
日本人パイロットの英語はいわゆる「日本英語」の発音だ。ネイティブの発音では解読できない。

あの部分は明らかに"All engine clear"と言っているが、英語発音では言っていない。
「オーレンジンクリア」と日本語で言っている。
もっとも「クリア」はほとんど聞えないが。

実際の機内ではあのボイスレコーダに残っている以上にいろいろなことが起こっていたのだろう。
公開されているボイスレコーダの音声だけを根拠に機長やクルーの行動を憶測で語るべきではない。
機長もクルーも乗客もみなあの場でできる限りのことをやったのだと思う。
彼ら全員を尊敬する。