11/02/2022

やせっぽちのデニス

 ガイクラークが亡くなったのはいつだったかもう忘れてしまった。
今更検索する気も無い。

ガイクラークのLAフリーウェイを最初に聞いたのは札幌の
地下のレコード屋だった。
たぶんそれはもう書いた。
そのLAフリーウェイだけどずっと気になっていたことがある。
それはまだ書いていないと思う。
それはLA Freewayの途中の歌詞

Here's to you old skinny Dennis  やせっぽちのデニスに乾杯
Only one I think I will miss    私が恋しいと思うただ一人
I can hear your old base singin'  君の懐かしいベースが歌うのが聞こえるよ
Sweet and low like a gift your bringin' 低く優しく、君からの贈り物
Play it for me one more time now  さあ、もう一度弾いてみてくれないか
Got to give it all we can now    できることなら何でもするから
I belive everything your saying        君が言ってたことは全て信じてるよ
Just keep on keep on playing   ずっと演奏を続けて行くよ、とか

歌詞からデニスが死んでしまっていることはわかるけれど
このデニスというベーシストはいったいどんな人だったんだろう?
と思っていた。
そのデニスについて書かれているものを見つけた。

デニスはガイ・クラークの仲間のベーシストだった。
ある時酔ったデニスとガイ・クラークの奥さん(スザンナ)を
後部座席に乗せてガイが運転している途中で酔ったデニスが
スザンナのいる方のドアを開けて飛び降りようとした。
当然間にいたスザンナも車から落ちそうになった。
ガイは猛然と怒ってデニスを押し込み、そのままデニスを家に
送り帰した。
それ以来ガイ・クラークはデニスと口をきいていない。
そしてある日デニスは心不全で死んだ。
ガイクラークは葬式に行ったが、涙は流さず、何も言わず
静かにしていた。そして帰る時に一言
「俺はまだ怒ってる」と言った。

そのデニスなのだ。
この歌で歌われているのは。
歌の中で彼は会えずに寂しいと言っている。

私も先日友人を亡くし、今切に会っていろいろ謝りたいと
思っている。
この歌はそんな気持ちを良く歌っていると思う。