11/27/2022

記憶 69年新宿

 昨日NHKで「声は届くのか」という番組を見た。
友人から紹介されなければきっと観ずに終わってしまったと思う。
それを観た。

本質的な話は置いといて、私を含め、彼らの記憶は正しいのだろうか?
と疑問に思った。
最たるものは地方からわざわざ新宿西口にやってきた人の話で、
「ウッドストックの映画が頭にあって、ああいう格好いい人たちが
歌っていると思っていた」とかなんとか言っていたけれど、
ウッドストックが開かれたのは西口の後だし、映画が日本で
公開されたのは確か次の年1970年だ。
たぶん彼の頭の中ではそういう”面白い”話として記憶されてしまって
いるのだと思う。
そう思うと他の人の話はどうなの?と思ってしまう。

あの番組は「未公開映像」とか言っているのであれば、
映像のみが当時の証拠として語ることができるものだとして
放送すべきだったと思う。

かく言う私の記憶が一番あてにならない。
ほんとにそうだったの?
といつも自分に問いている。
長い年月のうちに都合のいいように記憶を書き換えている
かもしれない。
現在の彼らの言うことは現在(今)だから言えることであって、
あの映像のサウンドトラックとして言えるだろうか?
と思ってしまう。
あの映像から感じるのは皆が皆不安で、訳もわからず、
模索中で、何が正しいかわからないということだ。
今だってそうだ。
誰れも何が正しいかわからない。

高田渡がどこかのコンサートでフォークゲリラを茶化して
彼らが逮捕されたことを自慢しているような言い方をしていた。
あれは逆に高田渡自身の価値を著しく下げているように思う。
少なくとも私はそう感じている。

フォークゲリラの人たちが当時あれをやったことは
だれも批判できないし、たぶんすごいことなんだと思う。