10/24/2022

猫、旅立ち

 猫のノエルは今朝は起き上がることができなくなっていた。
いつもなら頭をなでるとクークー鳴くのに、鳴かない。
これはダメだと思って病院に行った。
血液検査のために血液を採取するのだけど、それができない。
血管が細くなりすぎているらしい。
僅かの血液でできる検査をしたら、血漿がもう黄色になっていて、
ひどい黄疸のようだ。
それとカリウムの値がもう命が危ないレベルだった。
それで入院して血管に直接点滴することになった。
ノエルを病院に預けて帰ってきたけれど、
ひょっとするとノエルは一人で行ってしまうかもしれない
という可能性があったので、少し後悔した。
でも治療しなかったらもっと後悔するような気もする。

午後遅くに病院から電話があった。
もう危ないので来てください、ということだった。
急いで病院に駆け付けたけれど、タッチの差で行ってしまっていた。
ノエルの体はまだ生きているように暖かく、なでると鳴かないのが
不思議なくらいだった。
持ってきた小さな毛布をノエルにかけてあげた。
そしてキャリーバックに乗せた。
涙と嗚咽をなんとかこらえて病院を後にして、帰って来て
香港の妻と娘に連絡した。
その前に「迎えに行く」と言ってあったので、
その言葉を理解していると思ったら、全然わかってなかった。
そこからは涙の嵐だった。


この時でも鼻の頭を触れば怒るんじゃないかと思えるほどだった。

前の家に居た3人の猫は私がいない時に逝った。
だからひどく悲しむことはなかった。
ノエルは家に来た時からずっと一緒だった。
最後まで一緒だった。
しばらくは悲しみが消えそうにない。

              若いころのノエル