猫のノエルは今朝は起き上がることができなくなっていた。
いつもなら頭をなでるとクークー鳴くのに、鳴かない。
これはダメだと思って病院に行った。
血液検査のために血液を採取するのだけど、それができない。
血管が細くなりすぎているらしい。
僅かの血液でできる検査をしたら、血漿がもう黄色になっていて、
ひどい黄疸のようだ。
それとカリウムの値がもう命が危ないレベルだった。
それで入院して血管に直接点滴することになった。
ノエルを病院に預けて帰ってきたけれど、
ひょっとするとノエルは一人で行ってしまうかもしれない
という可能性があったので、少し後悔した。
でも治療しなかったらもっと後悔するような気もする。
午後遅くに病院から電話があった。
もう危ないので来てください、ということだった。
急いで病院に駆け付けたけれど、タッチの差で行ってしまっていた。
ノエルの体はまだ生きているように暖かく、なでると鳴かないのが
不思議なくらいだった。
持ってきた小さな毛布をノエルにかけてあげた。
そしてキャリーバックに乗せた。
涙と嗚咽をなんとかこらえて病院を後にして、帰って来て
香港の妻と娘に連絡した。
その前に「迎えに行く」と言ってあったので、
その言葉を理解していると思ったら、全然わかってなかった。
そこからは涙の嵐だった。
この時でも鼻の頭を触れば怒るんじゃないかと思えるほどだった。
前の家に居た3人の猫は私がいない時に逝った。
だからひどく悲しむことはなかった。
ノエルは家に来た時からずっと一緒だった。
最後まで一緒だった。
しばらくは悲しみが消えそうにない。