私がフォークソングに興味を持ち始めた中学3年か高校1年の頃。
多分1964年頃。
フォークソングの雑誌などに必ず現れる名前に「アラン・ロマックス」
という人がいた。一体その人がどういう人なのか全く知らなかった。
いや今でも知っているかと言うと知らないと言った方がいい。
アメリカン・フォークソングの研究家らしいとしか知らない。
そのアラン・ロマックスの名前が探査機ボイジャーの話に出てきた。
なんでもカールセーガンがアラン・ロマックスにボイジャーに積み込む
ゴールデンレコードの音の選択を相談したらしい。
カールセーガンは作曲家の音楽よりも民族音楽を入れるべきだ
と思っていたらしい。
それでアジア、アフリカ、オセアニアの民族音楽がたくさん詰め込まれた。
そのせいでドビュッシーの曲が入らなかったとか書かれている。
アラン・ロマックスとカール・セーガンのつながりも面白いけれど、
もっと面白いことに気が付いた。
あの時点でカールセーガンあるいはボイジャー開発チームあるいはNASA
は宇宙人ありきであの計画を立てていたことだ。
現在なら、そんないるかどうかわからない知的生命のために
そんなレコードを載せるのは意味が無い、とか言われそうだ。
しかしあの時点では真剣にボイジャーがいつかたどり着くところに
知的生命(宇宙人)がいるという想定でやっていたのだ。
もう少し言ってしまうと、カールセーガンが民族音楽を入れようと
思ったのには、ひょっとすると人類は宇宙から来たかもしれない
ということを信じていたのかもしれない。その痕跡が民族音楽
に残っているかもしれないと考えたのかもしれない。