ラジオを聴いていたら、ある牧師がそう言っていた。
「え?」と思ったけれど、この人の言ってることはほんとだなと思った。
「あなたはそれで幸せなの?」
「あなたが幸せをだめにしたの」
「あなたには幸せなんてわからないの」
とかいろいろ言われたけど。
どうやってこの牧師はそんな心境になれたのだろう。
「なんでもないようなことが幸せだったと思う…」
という歌があったけれど、たぶんそうなのだろう。
何も変わりない生活が幸せなのだろう。
確かに一番心休まる思い出は親と一緒にくらしていた子供時代だ。
明日の生活の心配をする必要もなく、
お金が必要な時は親が出してくれた。
確かにあれが幸せだったというならそうなんだろう。
子供が小さかった頃。
仕事は大変だった。
夜も眠れず、恐怖で飛び起きたこともあった。
車の中で一夜を明かすこともしょちゅうだった。
でも、あれも幸せだったのだろうと今思う。
今思うと絶対にあの時の仕事はしたくない。
もう自分には無理だったのに「頑張って」やっていた。
自分の能力以上のことをやろうとしていた。
いずれは破綻するはずだった。
他人に迷惑をかけるずっと前にやめておくべきだった。
たぶん幸せというのは幻想なのだろう。
ありもしない幻想を求めても無駄だ。
どんな状況にあろうとも今が一番「幸せ」なのだと思う。